高校のころ、共通の趣味で知り合った先輩。 
優しくて、楽しくて、センスのある先輩だった。 
特にその趣味のことをしている先輩はすごく輝いていて、 
私は徐々にその先輩に惹かれていって、一世一代の覚悟で告白した。 
(あまり恋愛ごとに関わらない人生を送っていたので初めての事) 
結果は今はその趣味に集中したいからという理由で 
(実際はそれだけじゃないけど)断られた。 
それでもまだ好きだった。悔しいけど、いつか振り向かせて見せるって思ってた。 

それから時は流れて、私と先輩が既に卒業してそれぞれの進路に向かった後。 
先輩がその趣味に関わる仕事をしているらしいことを先輩の日記で知る。 
同じような分野で活動したいと思っている私にとって先輩は目標だったし、 
順調に結果が出ていることは勝手ながらも我が事のように喜んだ。


そんなある日の先輩の日記。 
仕事の進み具合とか近況を書くことはたまにあったから、 
その日も同じように読み進めていくと、 
そこにははっきりと 

「仕事が嫌い」 
「○○(その趣味)が嫌い」 

としっかりと書かれていた。(もちろん誰でも読める状態で) 
その瞬間、ああそうか、好きなことを仕事にするってのは 
こういうことなんだ、と理解した。 
これが現実なのか、と、わかっていたはずなのにどうしようもなく悲しい気持ちになった。 
仕事としてのそれだけじゃなくて、それ自体を嫌いにならなくちゃいけないのか。 
実際多くの人がそう思ってるんだろうけど、実際文字にされるとショックだった。 

同時に、まだ残っていた先輩への恋心もすーっと消えていった。 
ただ、振られた時には出なかった涙が出てきた。 
先輩は何も悪くない。私が自分勝手で甘いだけだ。 
先輩とはまだ交友はあるけど、片思いの相手として見る事はもう無いと思う。 
心から楽しそうに趣味に打ち込んでいる先輩は、最高に素敵だった。